O-Nexus

入居者の声

東大阪のモノづくりで医療の課題解決と研究成果の社会実装に貢献

O-Nexusには、スタートアップ企業や大手企業だけでなく、自治体もまた、イノベーションを生み出す重要なプレイヤーとして参画しています。今回は、約5,500社の製造業が集積する国内有数の「モノづくりのまち東大阪」において、2016年度から医工連携プロジェクト創出事業を推進してきた 東大阪市役所 モノづくり支援室の辻双九さんに、O-Nexus入居の経緯や東大阪市の医療・ライフサイエンス分野への取り組み、今後の展望についてお伺いしました。

ーーまず、O-Nexusへご入居いただいた経緯を教えてください。

辻 双九さん(以下、敬称略):
東大阪市では、2016年度に大阪大学大学院医学系研究科及び医学部附属病院との連携協定を契機に、医工連携プロジェクト創出事業を開始しました。それから10年にわたり、市内企業様の高い技術力とネットワークを活かし、医療・ヘルスケア分野への新規参入・事業拡大を図ることで、「国産医療機器の創出・安定供給に貢献すること」をミッションに掲げ活動を続けています。その流れの中で、2025年2月には、未来医療国際拠点「Nakanoshima Qross」を運営する(一財)未来医療推進機構様と自治体で初めて協定を締結しました。
医療・ライフサイエンス分野では近年、スタートアップを中心としたオープンイノベーションが急速に進んでおり、新たな価値創出には従来の企業間連携に加え、多様な主体とのつながりが重要になってきていると考えています。こうした状況を踏まえ、市内企業様が未来医療分野の新たなプレイヤーと接点を持ち、事業機会の創出につなげるために、O-Nexusへの入居を決めました。

ーー2016年から医療分野に力を入れてこられたとのことですが、具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか。

辻: ひと言で申し上げると「相談いただいた内容に応じて、対応できる企業様を探索・紹介するマッチングサービスです」。その仕組みは非常にシンプルで、お客様からは「このような加工や試作ができる企業を探している」「こんなことで困っている」と相談いただくだけです。
また、本事業の中心を担っているのが、医療分野に実績のある、またこれから参入意欲のある約70社の市内企業様で構成する「東大阪市医工連携研究会」です。各社の技術力や強みをまとめたパンフレットを随時更新しておりますので、ぜひ一度ご覧ください。(後述にリンク先を掲載)
事業開始以降、医療機器企業様や医療者から寄せられた相談案件は1,300件を超えており、医療現場の課題解決や国産医療機器の創出につながるなど、着実な成果につながっています。

ーーライフサイエンス分野に特化したO-Nexusや、Nakanoshima Qrossが掲げる「未来医療イノベーションエコシステム」という構想に対して、東大阪市としてどのように貢献していきたいとお考えですか。

辻:本事業を通じて年間100件程度のご相談をいただきますが、近年はスタートアップ企業様からのご相談が増加傾向にあります。医療・ライフサイエンス、さらには再生医療という分野は、多様なプレイヤーや専門性が高い方々が早い段階からワンチームにならないと社会実装されない世界だと感じています。その中で東大阪市が果たせる役割は、日本を代表するモノづくりのまちとして、試作・特注・開発・量産などハードウェアの部分をしっかりと担い、社会実装の実現化と加速化に貢献していきたいと考えています。

ーーこれまでの取り組みの中で、具体的な実績があれば教えてください。

辻: 本市が把握している情報だけになりますが、本事業を通じた受注件数としては65件、金額としては13億円以上となっています。医療機器メーカー様からの開発、量産案件や大学発スタートアップ企業様のアイデア段階から東大阪市内企業が開発に携わり、上市後も順調に事業化が進むプロジェクトもございます。
金属や樹脂素材の試作や量産はもちろん、クラスⅠ~Ⅳの医療機器の設計開発から製造まで一貫対応できる企業様もおりますので、今後は大手企業様やスタートアップ企業様に逆提案していくような機会も、O-Nexus様、CIC様と一緒につくっていきたいと考えています。

ーーご入居から取材時点ではまだ2ヶ月とのことですが、すでに反響はありますか。

辻: おかげさまで、まだわずか2ヶ月ではありますが、名刺交換数で言いますと約400名、相談案件としては25件ほどいただいており、一件一件、候補企業様をご紹介し、つないでいる状況です。O-Nexusに入居しないと接点を持てなかった企業様からもご相談をいただいておりますので、それはやはりここで活動する意義、価値であると考えています。

ーー東大阪のモノづくりとしての強み、また自治体としてこの場にいることの強みは、どのようなところにあるとお考えですか。

辻: 東大阪市には約5,500社のモノづくり企業が立地しており、その数も大きな強みではありますが、本当の強みはその「構造」にあると考えています。例えば、金属製品を思い描いていただくと、完成品を作るまでにはプレス、切削、曲げ、溶接、研磨、塗装といった多段階の工程が必要ですが、その加工工程ごとに技術特化した企業が一つの地域に集積しているのが東大阪です。また、東大阪の商習慣を表す言葉に、「横請け・仲間請け」という言葉があります。これは、単独の企業では受けられないような仕事であっても、経営者同士が有機的なネットワークでつながっており、柔軟に仕事を受けていく文化を表しています。言うなれば、「町全体をひとつの工場」と捉えていただければと思います。加えて、東大阪市では、基礎自治体の強みを生かし、日々の企業訪問を通じて、ラストワンマイルの情報を収集、更新しており、地道ではありますが、確度の高いマッチングにつながっているものと考えています。
約5,500社のモノづくり企業にアクセスできる相談機能がここO-Nexusにあると考えていただき、ぜひご活用いただきたいと考えています。

ーー今後、O-NexusやCICに期待することを教えてください。

辻: CIC様が持たれているネットワークを生かして、今回入居させていただいたO-Nexus、大阪だけでなく東京・福岡でも活動を展開したいと考えており、この8月にCIC東京で開催される自治体ピッチイベントにも早速参加させていただく予定です。また、昨年行われた大阪・関西万博にも東大阪からは100社以上が参画しており、海外市場に目を向ける企業様も増えて来ておりますので、将来的には海外の拠点にも東大阪の存在を知っていただく、そういった機会をぜひ一緒に作っていけることを楽しみにしています。
最後に、モノづくりのことでお困りのことがございましたら、「東大阪」を思い出していただき、ぜひお気軽にご相談ください。(※後述の「東大阪モノづくり相談窓口」参照)

プロフィール
辻 双九(つじ そうきゅう)氏
東大阪市役所 都市魅力産業スポーツ部 モノづくり支援室

会社情報
東大阪市役所 都市魅力産業スポーツ部 モノづくり支援室
市内企業に精通した専門コーディネーターが相談内容に応じて企業を探索、紹介いたします。
▼東大阪モノづくり相談窓口 相談フォーム【直通電話:06-4309-2306(平日9~17時)】
▼東大阪市医工連携研究会パンフレット
▼東大阪市技術交流プラザ(東大阪市内製造業データベース)

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