
Nakanoshima Qross内に、日本生命様とのパートナーシップのもと誕生したライフサイエンス特化型イノベーションセンター「O-Nexus」。CICにとって国内3拠点目となるこの場所に、CICはどのような価値を提供し、どんなコミュニティを描いているのか。CIC Japanで日本拠点の統括を務める平田美奈子氏に、お話をお伺いしました。
ーーO-NexusとCICは、どのような関係にあるのでしょうか。
平田美奈子氏(以下、敬称略):CICは、多様な分野・目的を持つ人々が集うイノベーションキャンパスを世界各地で運営しています。中之島のO-Nexusは、健康寿命の延伸に貢献する企業を生み出したいという日本生命様の思いにCICが賛同し、パートナーシップのもとで共につくった、ライフサイエンス特化型のイノベーションキャンパスです。
ーーCICだからこそO-Nexusに提供できる価値を教えてください。
平田:CICは、いわゆるシェアオフィスだけを提供するのではなく、イノベーションに関する環境を提供しています。具体的には、入居者様同士のコラボレーションを生む機会の創出、外部の専門家とのつなぎ込み、そして世界に持つ11拠点のグローバルネットワークです。アメリカのボストン・ケンブリッジ、セントルイス、フィラデルフィア、プロビデンス、ヨーロッパのベルリン、ロッテルダム、ワルシャワと並ぶ中で、日本は11拠点中3拠点という、CICの中でもとても成長している地域になってきています。こうしたネットワークを活かし、今回のイノベーションコミュニティの活性化にも貢献していきたいと思っています。
ーーライフサイエンスという傘のもとに多様な企業が集まることで、入居企業にはどのような体験や価値を提供できるとお考えですか。
平田:まず一つは、当たり前を疑うような環境に身を置いていただけることだと思います。イノベーションは最初に目的やKPIを設定して取り組まれることが多いのですが、実際にコラボレーションや新しい市場開拓が生まれる先は、自分たちだけではたどり着けない方向であることがほとんどです。そうした偶発性を誘発する環境を提供することが、私たちの仕事だと考えています。具体的には、ほぼ毎日のようにイベントを仕掛けたり、キッチンでの自然な会話のきっかけをつくったり、スタッフがお客様同士の情報をストックして働きかけをしたりしています。会社という鎧を一旦置いて、その人自身がどのような使命感を持っているのかを引き出すことが、大事な最初のステップです。実際に、O-Nexusとは別の事例ですが、以前「ペットラバーズ」というイベントで、しつけに悩んでいたシリアルアントレプレナーの方と、ペットシッターの経験を持つ若い起業志望の方が出会い、後にビジネスコーチングをするメンター関係に発展したこともありました。会社の肩書きを外したところから、いい人間関係が生まれた事例だと思っています。
ーーO-Nexusのコミュニティは、今後どのように発展していってほしいとお考えですか。
平田:O-Nexusの中で一人一人が、健康寿命の延伸というライフサイエンスの傘の下で、それぞれの技術や可能性を持ち寄り、自発的に次の戦略トピックを話していけるコミュニティを作れたら良いなと思っています。受け身な姿勢ではなく、一人一人が可能性を持ち寄り、この先にある何かを一緒に探しに行けるような、活発なコミュニティにしていきたいです。今後は、東京や福岡で既に実施しているような、会社という垣根や肩書きを一旦置いて話を始められるクラブ活動やイベントを仕掛けていけたらと思っています。
ーー中之島・O-Nexusだからこそ生まれる、海外との距離の近さのようなものは実際にありますか。
平田:あります。Nakanoshima Qrossというライフサイエンス特化型のイノベーション施設という旗印を立てておくことで、世界からライフサイエンスに興味がある来訪者がいらっしゃれば、中之島というキーワードを世界に発信できると思います。オープニングの際にも、海外VCの方からヨーロッパの企業様にO-Nexusを紹介したい、というお声がけをいただきました。フィラデルフィアやボストン・ケンブリッジのCICスタッフとの会話でも、具体的な連携プログラムの話が進んでいます。昨年の大阪・関西万博をきっかけに東京のCICへ各国の大臣クラスの方々がいらっしゃったことで大阪への注目も生まれていて、次は大阪にお客様をお迎えする、という流れができてきています。
ーー最後に、CIC O-Nexusに今後どうなっていってほしいか、平田氏ご自身のことも含めて教えてください。
平田:CICの分野特化型キャンパスとして、ライフサイエンスといえば世界一の拠点だと、地域にも自信を持って伝えていける場所にしていきたいです。私自身の役回りとしては、世界のネットワークに大阪・O-Nexusをどう売り込んでいくかという営業の立場と、各国のキャンパスの中で具体的な事例を早く生み出し、発信していく伝道師でありたいと思っています。ライフサイエンスという同じ目的を持った仲間たちが集まってくることで、イノベーションの密度がより高まり、それがより良い環境につながっていくと考えています。
プロフィール
平田 美奈子(ひらた みなこ)氏
CIC Japan・Head of Japan Campuses
会社情報
CIC Japan
CIC Japanは、イノベーションの創出と成長を支えるイノベーションキャンパスを運営。24時間365日利用可能で、日本語・英語の両方に対応した共有ワークスペースに加え、専門性の高いスタートアップ支援プログラムや多彩なイベントを提供し、多くのスタートアップの成長を後押ししている。日本においては、グローバルネットワークの拡充、ディープテック領域の支援、ダイバーシティの推進に注力し、日本と世界のイノベーションエコシステムをつなぐ架け橋としての役割を担っている。
公式サイト:https://jp.cic.com/