O-Nexus

スタッフからのメッセージ

CIC Japan会長 梅澤高明が語る、日本発ライフサイエンスを世界へ

CIC国内3拠点目として、大阪・中之島に誕生したライフサイエンス特化型イノベーションキャンパス「O-Nexus」。なぜ今、ヘルスケアに特化した拠点を大阪に立ち上げたのか。CIC Japan会長の梅澤高明氏に、設立の背景とO-Nexusが目指す未来についてお伺いしました。

ーーO-Nexus設立の背景を教えてください。

梅澤高明氏(以下、敬称略):O-Nexusは、CICにとって国内3拠点目にあたります。東京、福岡に次いで、大阪・中之島にライフサイエンス・ヘルスケア特化型の拠点として立ち上げました。日本生命様がオーナーを務めるNakanoshima Qross全体の中でスタートアップキャンパスが必要だとお声がけいただき、私たちが飛び込んだのが経緯です。

ーーヘルスケアに特化する狙いと、O-Nexusが目指すものを教えてください。

梅澤:O-Nexusが入っているNakanoshima Qrossは、もともとライフサイエンス特化型の巨大な複合施設です。大阪、そして関西一帯は、大手製薬会社や医療機関が古くから集積する、日本有数のライフサイエンス・ヘルスケア産業の集積地でもあります。日本発のライフサイエンス産業を、世界の市場とつながる形でもう一度立ち上げていこうという志のもとにNakanoshima Qrossが始動し、その中でスタートアップの役割が重要だとしてCICにお声がけいただいたのが始まりです。O-Nexusが目指す最大のミッションは、日本発の医療・ライフサイエンス関連のシーズを商業化し、世界市場へ発信して成長を加速することです。ライフサイエンスは市場全体では大きいものの、個々の臨床分野は細分化されており、国内市場だけでは大きく育ちません。特に米国を中心とする世界市場に押し出し、海外でも成功できるところまで支援して初めて、日本から多くのユニコーンが生まれます。米国発で世界とつながるCICだからこそ、その役割を果たせると考えています。

ーーO-Nexusならではの価値、CICが提供できるエコシステムについて教えてください。

梅澤:CICは1999年、米マサチューセッツ州ケンブリッジ市で創業しました。同市はハーバード、MIT、マサチューセッツ総合病院などが集まる、世界のライフサイエンスの中心地です。CICはこの地で、世界最大規模のライフサイエンス向けシェアラボの立ち上げに関わり、その後もフィラデルフィアやセントルイスで、バイオテック・ライフサイエンス向けのシェアラボ・シェアオフィスを運営してきました。こうした実績があるからこそ、アメリカやヨーロッパとつながったライフサイエンスのエコシステムを日本でも発展させられると考え、飛び込みました。Nakanoshima Qrossには京都大学iPS細胞研究所も入居し、iPS細胞をより高品質・低コストで製造する手法開発のテストプラントも備えています。再生医療の最先端から商業化・スケールアップ・グローバル化までを一気通貫で支援できる座組があることも、大きな特長です。

ーーライフサイエンス・ヘルスケア領域の可能性と、日本の強みについて教えてください。

梅澤:ライフサイエンスは全ての人の命に関わる分野で、ウェルビーイングが重視される中、病気を治すことだけでなく、健康寿命をいかに伸ばすかというテーマまで概念が広がっています。市場は世界的に伸び続けており、最近は「ロンジェビティ(長寿)」、どれだけ長く健康に暮らせるかというテーマにも注目が集まっています。日本は、ライフサイエンスのシーズの品揃えと数で世界トップクラスの国の一つです。医学部を持つ大学は全国に約90校あり、大阪大学や京都大学、東京大学だけでなく、さまざまな大学から多くのシーズが生まれています。ただ、研究を臨床で使える手法にまで開発しても、そこにベンチャーキャピタルの資金を入れて加速したり、アメリカと共同で立ち上げたりするやり方があることに気づいていない研究者の方も少なくありません。研究者自らが起業家になっていくパスを用意することも、Nakanoshima QrossとO-Nexusの大事な役割だと考えており、広報活動やピッチイベントを通じて医療関係者にも広めていきたいと思っています。

ーーどのような企業・団体にO-Nexusへ入居してほしいとお考えですか。

梅澤:スタートアップだけでなく、大企業のイノベーション部隊、投資家、研究者、さまざまな支援機関の皆さんが一つ屋根の下に集まり、協力しながらイノベーションを加速していくことが大事だと考えています。これは東京・福岡の拠点でも同じ考え方です。大阪の場合、将来スタートアップに投資する大企業や投資ファンドが近くにいることで成長が加速されますし、CICを含め海外とつながる支援機関に入っていただくことで、海外展開のスピードアップにもつながります。そうした場所をつくっていきたいと思っています。

ーー今後、O-Nexusを通じて実現したいことを教えてください。

梅澤:日本発で世界と戦えるスタートアップを、なるべく多く生み出す後押しを続けていきたいと思います。特にライフサイエンスは、アメリカ市場で勝負できるかどうかで企業価値が一桁変わる業界構造なので、なおさらO-Nexusの役割は大きいと自負しています。日本のライフサイエンス・ヘルスケアには、世界で大きなチャンスがあります。皆さんと協力して世界に押し出し、日本から新しい産業の波をつくっていきたいと思います。

プロフィール
梅澤 高明(うめざわ たかあき)氏
CIC Japan・会長

会社情報
CIC Japan
CIC Japanは、イノベーションの創出と成長を支えるイノベーションキャンパスを運営。24時間365日利用可能で、日本語・英語の両方に対応した共有ワークスペースに加え、専門性の高いスタートアップ支援プログラムや多彩なイベントを提供し、多くのスタートアップの成長を後押ししている。日本においては、グローバルネットワークの拡充、ディープテック領域の支援、ダイバーシティの推進に注力し、日本と世界のイノベーションエコシステムをつなぐ架け橋としての役割を担っている。
公式サイト:https://jp.cic.com/

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